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映画『ダークナイト ライジング』ダークナイト三部作最終章~狂乱のゴッサムで最後の戦いが始まる~:感想

映画『ダークナイト ライジング』ダークナイト三部作最終章~狂乱のゴッサムで最後の戦いが始まる~:感想
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『ダークナイト ライジング』(2012年07月28日公開)

原題:The Dark Knight Rises
監督:クリストファー・ノーラン
ジャンル:アクション、ファンタジー

“三部作の終幕。
バットマンの物語は終わり、「ダークナイト」は伝説となる。”

総合評価:★★★☆☆

「ダークナイト三部作」についてはこちら
前々作「バットマン ビギンズ」についてはこちら
前作「ダークナイト」についてはこちら

イントロダクション

ゴッサム・シティを襲撃したジョーカーを倒した後、トゥーフェイスことハービー・デント検事殺害の罪をかぶり、街を離れたブルース・ウェイン(クリスチャン・ベイル)。
その8年後、再びゴッサム・シティに戻ってきた彼は、街の破壊をもくろむ新たな強敵ベイン(トム・ハーディ)を前に、バットマンとして対峙する……。

予告編

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以降ネタバレ注意!!!

 

 

 

三部作最終章はゴッサムを舞台に戦争が巻き起こる!

本作は「ダークナイト三部作」の最終章として制作された、まさに集大成と呼べる作品。
バットマン誕生とその活躍を描いた第一作『バットマン ビギンズ』
悪意の化身ジョーカーとの熾烈な一騎打ちを描いた第二作『ダークナイト』

どちらも本作の重要キャラや展開を理解する上で欠かせない作品ですので、やはり事前に視聴した上で本作を見られることをオススメします!

前作を遥かに越える怒涛のアクションシーン!

前2作もゴッサムシティを舞台にしたアクションが描かれてきましたが、本作はかつてないスケールでの戦闘が繰り広げられます。
無数のバットモービル(戦車)が敵側に渡り、街の至る所で轟音を轟かせると聞けば、その壮大さが伝わるかと思います。
そして新兵器バット(戦闘機)を操るバットマンとの壮絶な戦闘シーンは三部作の最後に相応しい派手なものに!

その他前作で活躍したバットポッドも健在。
今回は主にキャットウーマンが乗り手でしたが、細身でセクシーな彼女が乗るとまた映像が映えるんですね。

ある意味アメコミらしい?突飛な展開

娯楽映画特有のぶっ飛んだ展開や、穴のあるシナリオも映像の迫力で納得することって映画なら良くあることだと思います。
しかし本作はなまじ前二作でダークな犯罪を丁寧に描いてきた分、そのアラが目に付きやすくなってしまっています。

色々ありますがいくつか挙げてみると、例えば、
バットマンの正体が新キャラ・ブレイクにあっさりバレている点。
一度会ったかしただけであっさりブルース=バットマンに辿り着かれてしまっているのは如何なものかと。
ゴードンすらまだ気付いていないんだよ!?
もちろん映画の時間的制約があるのも分かります。でも映画が始まってこれからというときにかまされると、ガクッと来てしまいます。

次に、クリーンスレートが空気になった点。
序盤、あたかもキーアイテムかのように時間を割いて話題にしたクリーンスレート。
犯罪者の犯歴を抹消するトンデモプログラムらしく、どうやらセリーナもこれを狙っている。
眉唾物のアイテムですがなんと持ち主はブルース、というところまで説明がされるのですが、物語中盤以降一言も触れられることがなくエンドロールを迎えます。
………いやなんだったんだよ!!?まさかその存在自体がcleanされてしまうなんてねぇ。
最後の最後まで物語にどう絡んでくるのかワクワクしていたのにこの肩透かしは辛い…。

それこそ「トランスフォーマー」や他のアメコミなら正直全く気にならないのですが、「ダークナイトの続編」としてどうしても見てしまいますからね。
色々アラが目立つ脚本だったのは確かだったと思います。

ベイン…ああ…ベイン

筋骨隆々の肉体に卓越した頭脳を秘めるシリーズ最終作のメインヴィラン・ベイン
まさに最終作の敵に相応しい威圧感を放っていた彼は、前作のジョーカーとは異なり、「テロを手段に腐敗しきったゴッサムシティを焼き払う」という目的を持った革命家です。
彼のカリスマ性はストーリーの随所で感じられ、多くの部下を率いる頭目としての威厳に溢れていました。

「ああ、今作の敵もジョーカーとは違った意味で最凶だ」

確かに物語中盤までは、そう思っていたのです。
しかし彼のバックにいる真の黒幕がタリアであったと明らかになった瞬間から、ズコーっと彼の株は急勾配を転がり落ちていきます…。
結局彼は思想犯でもなんでもなく、ただ愛する人の言いなりになっていただけというオチ。
まだタリアにそれまでのベインを超える思想や格が感じられれば良かったのですが、残念ながらそんなこともなく(というか尺もなく…)、あれあれっという間に物語は決着を迎えてしまいます。

「真の黒幕は××だった!」というのは確かに視聴者に驚きを与える有効な手段ですが、新キャラで影のある彼女が黒幕でも正直予想の範疇ですし、これならベイン一本に絞った方が話の筋がはっきりして良かったのではなかろうか。

描き切れなかった市民の狂気

「核兵器のスイッチを市民の一人が持っている」というベインの宣言からにわかに始まるゴッサムの掌握によって、無法地帯と化したゴッサムでは、少しずつ市民が狂い始めます。
前2作でも描いてきた人間の精神性を問うテーマがここでも描かれるのかと思ったのですが、展開はすぐさまドンパチのアクションシーンと化してしまい、あまりじっくりとこの辺りが掘り下げられなかったのは非常に残念。
描きたいものの風呂敷を広げ過ぎたきらいがあって、一本筋があった前作と比較するとやっぱり取っ散らかった印象は拭えません。

偽りの伝説は暴かれ、真なる伝説が紡がれる

とまぁ色々言ってきたわけですが、決して本作がつまらないなんてことはなくて、むしろ「ダークナイト三部作」の最終作としては素晴らしい着地を見せてくれます。

前作『ダークナイト』では、ハービー・デントを正義の象徴とするため、彼のもう一つの顔、トゥーフェイスが行った悪行を全てバットマンが背負うという選択をしました。
しかしこれは本作中盤でベインによって暴かれ、ハービーの伝説は偽りであったことが大衆に周知されてしまう。
バットマンが自身の名声をかなぐり捨て、ダークナイトに堕ちてまで打ち建てた「正義」が打ち砕かれたまさにそのとき、彼の、「ダークナイト三部作」の終着が決まります。

それは前作で成しえなかった「真の正義の伝説」を掲げ、彼自身がその汚名を返上すること。

そして物語終盤、タイムリミットの迫る核爆弾と対峙したとき、バットマンは見事にその役目を全うします。
ゴッサムに打ち建てられた「真の正義の伝説」
三部作の終焉を飾るには見事過ぎる着地で、個人的には大満足の終幕でした!

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